
建設工事において仮設をなくすということは、今後の大きな課題であり当事者の責任でもあります。特に水上施工の場合、莫大な仮設工事を必要とし、本体工事以上の労力を費やすケースも珍しくありません。
本工事はこうした問題点を一気に解消した模範工法です。
圧入により連続的に打ち込まれ、しっかりと一体化した壁体を構築する本工法は、この壁体の天端をステージの基盤として活用しながら全作業を進めるもので、付帯設備を一切必要としません。この効果によって既存の工法に見られるような仮設により、流路断面を狭めて水上交通の航路を阻害し、また浸水被害の誘因となるようなマイナスは根底から解消されました。
これは問題解決工法であり、全く無理のない原理に基づいた仮設レスな工法なのです。
建設工事を行う上で仮設工事はもともと無用のものです。しかし、従来の工法はこの仮設工事に莫大な時間と経費を費やします。本工法は機械・装置のシステム化と構造物のプレハブ化を図ることで工事の仮設レス化を実現しています。建設業界を取り巻く厳しい環境の中で、工事の仮設レス化は今後の業界発展に不可欠な条件となることは間違いありません。

いかなる建設工事も国民的視点から公正、妥当なものでなくてはなりません。三十年余の経験と実績を有する本工法は建設工事のあるべき姿、その五大原則(環境性・安全性・急速性・経済性・文化性)を全て満たしたものです。

● 静荷重圧入方式のため、騒音・振動などの公害を発生しません。
● 工事による影響範囲は施工システムのスペースにしか及ばないので周辺環境を保護できます。

● 施工システムはしっかりとした既存の杭を掴む機構のため、転倒の心配が全くなく、特に鉄道近接工事等においては、昼間作業を可能にします。
● 操作はラジコンで行うため、安全な場所からの操作を可能にします。
● システム化した機械・装置で合理的な協調作業を行うので、工期を大幅に短縮します。
● 軽量・コンパクトなシステムは複数の導入を容易にしており、飛躍的な工期短縮を可能にします。

● 仮設道路や作業用地の確保を必要としないので、大幅に工費が削減されます。
● 周辺の道路に支障をきたさないなどの経済波及効果は計り知れません。
● 施工は全てシステム化しているので、工事をスマートに行うことができます。
● 施工前の構造体、もしくは施工後に化粧材を施すことで、景観に調和した文化的な構造物が完成します。
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